志望理由書と研究計画書
放送大学大学院を受験する際に提出した研究計画書などです。これから受験す
る方の参考などになれば、幸いです(^^;。
- 志望理由書
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私は心理学と情報学の学際領域を学びたいと考え、放送大学大学院を志望する。
私が入学を考えるようになったのは、これまで仕事としてコンピュータやイン
ターネットに関わりIT関連の業務を行なう一方、放送大学において心理学を
学んだり、公民館で講師のボランティアをしたりしていく中で、より良い情報
リテラシーの習得について、より良い方法を一度しっかりと考えてみたいと考
えたからである。
私が入学後、特に学びたいと考えているのは、前述した通り、情報リテラシー
のより良い習得法と教育の方法である。現在、IT講習会が情報リテラシーを
習得するための対策として行われているが、その実態は決められたカリキュラ
ムを駆け足でこなしていくだけであり、さらにその後のフォローアップが全く
考えられていないために、落ちこぼれを増やし続けるという状況にある。この
対応として、インターネット上にサポートのコミュニティを構築し、コミュニ
ティとしてリテラシーのレベルアップを図るという方法があるが、ネチケット
などの問題もあり、一概にうまく進まない場合もある。
そこで私は、習得法などの学習を進めながら、これらのコミュニティの特性を
社会心理学の方法で調査をし、講師として今後講座などを行っていく際に、そ
の成果を生かしていきたいと考えている。
放送大学大学院には、私の学ぼうとしている分野の講義が幅広い形で提供され
ている。そこで、私は以上述べたことを在学中に学び、これからの仕事などに
生かしていきたいと考え、放送大学大学院を志望するのである。
- 研究テーマ
「ネットワークコミュニティにおけるリーダシップ傾向の研究」
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- 動機
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情報化の進展に伴い、企業活動や教育活動でインターネットを基盤としたツー
ル(道具)の利用が増加している。しかし、それらが効率的に利用されている
かというと、疑問を持たざるを得ない。私も公民館などで講座を行った際に、
質疑応答や議論のためのメーリングリストを運用したことがあるが、流れるメ
ールの数が少なく、事実上なんの成果も得られなかったという経験がある。し
かし、同じような目的で作られ、成果をあげているものもある。
そこで、この研究ではインターネット上の集団におけるリーダーに焦点をしぼ
り、その実態を明らかにしたいと考える。
- 目的
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いくつかのインターネット上の集団の活動状況と、そのリーダーのリーダシッ
プ特性の比較を行い、より良い成果をあげていくためにリーダーに必要なもの
を明らかにする。
- 計画
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本研究では、インターネット上の集団をメーリングリストに限定し、そのリー
ダーのリーダーシップ特性を調査する。インターネット上の集団には他にも掲
示板やネットニュースなどがあるが、集団への出入りが容易であり、フォロワ
ーの特定が難しい。このため、今回の研究では集団形態をメーリングリストに
絞り込んで、調査を行いたいと考えている。
まず文献や先行研究などの調査を行い、ネットワークコミュニティの現状を把
握する。本調査には、質問紙を用いる。そのための尺度作成は、文献調査の結
果を考慮しながら進めていく。詳細な調査対象や調査後の検討分野の決定は、
研究開始後、さまざまな要因を加味して決定していきたい。
以上の調査結果をもとに、ネットワークコミュニティにおけるリーダシップの
あり方を提案したい。そして、この提案が各種の場面におけるインターネット
利用の一助になれば幸いである。
- 参考文献
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池田謙一 編 「ネットワーキング・コミュニティ」(東京大学出版会 1997)
坂元章 編 「インターネットの心理学」(学文社 2000)
- 題目
「WWWの特徴を生かしたSOHO環境の構築」
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現代社会で働くサラリーマンが抱えるストレスや通勤ラッシュといった諸問題
を解決する新しいワーキングスタイルであるSOHO(Small Office & Home Office)
を実現するためのシステムの構築を行った。市販ソフトで生じる環境面の制限
をできるだけ取り払い、より多くの人間にSOHOの環境を与えることを目指し、
比較的に利用が簡単であるWWW(World Wide Web)を媒体に用いた。
この研究では、文字情報によるコミュニケーションを目的としたリアルタイム
の情報交換、互いの作成物を交換するためのファイルの転送、蓄積された知識
の探索を容易にするためのデータベース検索といった機能を持つシステムを、
GUI(Graphical User Interface)で提供した。
さらに構築した経験を踏まえ、それぞれのシステムに対する評価と考察、今後
構築されていくであろう同様なシステムに対する提案を行った。
(平成7年度 金沢工業大学工学部機械システム工学科卒業研究論文)
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